●03_『待ち遠しい』柴崎友香
ひょんなことから縁する、3人の女性の生きた様をそれぞれ描いた話。
主人公と、大家さんになった女性、その甥のお嫁さんの3人。
心の綾を淡々と丁寧に書いており、最後もすっと無理やり何かを残すことなく消えていくようなお話。
それも主人公の女性の性質をよく表していると思う。
こつこつと自分にとっての場である家を整えている感じが、すごくよく分かった。華やかさとは反対のところにあるもの、スイーツではなく白ご飯、みたいな。
個人的には、大阪での働く女性の生活感が見えておもしろかった。笑
●02_『戦争とおはぎとグリーンピース』西日本新聞社:編
これは、戦争の後9~17年に、新聞に掲載された読者投稿欄をまとめた本。
西日本新聞に、『紅皿』という女性のための読者投稿欄があって、それに当時の女性はこぞって筆をふるったようだ。
戦争に特化した本、というわけではなくて、戦後当時の人たちの生きた形跡が朴訥とつづられているが、その後ろには間違いなく戦争の残り香が色濃くあるし、実際過ぎた戦争に対しての率直な思いを乗せた投稿も多い。
レイアウトも、本当に新聞の書評欄のように、ぽつんと真ん中に配置されている。
この感じもすごい好き。
これを読みながら、ただ生きて死んでいった人たちの、とつとつとした生のあり方に、派手ではないしみじみとした感銘をおぼえる。
私はやっぱりこういう、ただの市井の人が、こういう形で、たったひとつのすてきな人生のひとかけらを垣間見せてくれるようなものがほんとに好き。
いろいろあっても、なんとかおまんま食べて、笑いに変えて、生き抜いていくということのすごみや重さを、さらっと読めちゃうのにずっしり感じる。
その奥の光を、いつだって見ていたいと思わされる庶民の本です。
●01_『結婚への道 迷宮編』岡村靖幸
ミュージシャンの岡村靖幸さんが、
自分も結婚してみたい、
じゃあ結婚とは何なのかについて、
2冊あわせて70人もの人にインタビューするという本。
そのシリーズの2冊目。
断っておくが、そしてほとんどの人は知ってるが、
私は作家の吉本ばななさんがすごく好き、尊敬している。
そのばななさんがおすすめしていた本(今後出てくるものの8割はそうかも)。
失礼ながら、岡村ちゃんこと岡村靖幸さんについて
本当にいちっみりも知らなかったのだが、
そしてミュージシャンの彼のファンにはなることはないと思うが、
岡村ちゃんのインタビューは唯一無二だと思う。
私は大概の結婚の話って、息が詰まるからあまり好きじゃない。
でも岡村ちゃんと話すと、結婚した人も離婚した人も、したくない人もできない人も、みんな自分の人生をしゃべっちゃう。
客観視しようとしたなにかじゃなくて、自分にとっての結婚まわりのほんとのことを、ぽろっと自然にこぼす空気があって、
これが人と人が話す醍醐味だよなあ~すげ~~ってしみじみ。
これを読みながら、いろんな人の人生にふれながら、どう生きても幸せだし、どう生きていこうかな楽しみ、って素直にわくわくできる。
おっきくて分厚い本だけど、それが重さではなくて、ずっと噛んでたいするめのような、
お守りみたいな本です。
よろしく、おすすめしていきます。
このブログはわたしがわたしの知り合いに直接教えていくので、読む人はみんなわたしの知り合い。
わたしは仕事柄、本をよく読むし、読み終わった本が余っているのですが、そしておすすめしたかったり気軽にあげたかったりするんだけど、
みんなが別にほしくもないものを受け取っちゃう負担があるなーと常々思っていて。
だから、ここでおすすめします。
それを読んで、欲しかったらわたしに直で連絡ください。あげます。
タイトルの前
◎あげられるもの
●もう手元にないもの
☆あげられないもの
どの本もおすすめから1週間たつとたいがいブックオフに売りに行きます。
基本は本だけど、それ以外のものもおすすめするかも。
気軽にだらだら見てみてください。