わたしのおすすめ

おすすめします。

●15_『銀河で一番静かな革命』マヒトゥ・ザ・ピーポー

正直、著者名から「うわっこういう系か」感を
感じた人?
しかも、
内容が「あと数日で世界が終わる地球での話」。
私もうっへーと思いつつ、
装丁がなぜか不思議としっくりきたのと、
ばななさんがお勧めしてるしな~
と思って読んでみました。

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すごかった、水のようだった。
けっこう言葉が添加物のように
不自然に残ることってあるんですが、
この人は一見そうみえそうな言葉を
連ねていながら、
全くそれがない。
本当に必然の、
エゴから一番遠いところの言葉なんだと思いました。

4人の人物から見た話が
リレーのように何周も廻る。
そのうちの3人は無機質な乾いた感じ・
脱水症状の時のようなだるさをもっていて、
それはほんとうにこういう人いる、
という感じでよく分かる。

でも、それが大げさでも投げやりでもない感じで、丁寧に続いていく。
無限の未来も迫りくる絶望もなくて、
虚無とは正反対の位置にいる話。
なんでなんだろう、本当に不思議だ。

人は終わったら溢れて一緒になって
境目がなくなってしまう。
それはそれで幸せだから、
今は今で境目を、輪郭を優しくなぞりたい。
そんなことを幸せな余韻の中でおもった。

最後の親子の言葉のリレーが、大好き。

啓発書でも、スピリチュアルでも、
ポエミーでもない。
人生の果実を味わうって、
こういうことなんだなあと
しみじみと食べました。