☆17_『サウスポイント』よしもとばなな
(☆にしてるけど貸すことはできます!)
初めてここで紹介するばななさんの本を、
すごく悩んでたんだけど、
流れでどどっとまた読んでしまったから
しょうがない、
『サウスポイント』を紹介します。
この話は『ハチ公の最後の恋人』という作品の
後日談となってるが、
私が去年最初に読んだときは
『サウスポイント』の方を先に読んだ。
そしてそれで全然よかった。
ハワイを舞台にした、引き裂かれた二人の話。
主人公のテトラちゃんとその親友だった珠彦くん。
小学生のこの二人が、超えてきたものの大きさに、
ぐっとくる。
何がどうということではなくて、
でも魂の栄養が必要なときに、
「大丈夫」である関係は稀有だ。
そんな存在に会えなくなってからも
感謝し続けたことは、
確かに気持ち悪いかもしれない、
妄想かもしれない。
でもその気持ち悪さがその人をその人たらしめている部分でもあるし、
その人の何かを救ってきたのだ。
そしてその先を鮮やかに軽やかに描き出す、
ハワイはやっぱり魔法がかかった島なんだなと思った。
文庫版の装丁の写真も、すごく好きです。